Story
不思議な出会いから始まった…
ある日のこと
カフェの大テーブルで温かいラテを飲みながら
私は球根に小さな花がついたムスカリの写真を撮っていました。
その時、隣でデスクワークをしていた女性がごく自然に話しかけてきたのです。
「それ、持って帰って土に埋めるのですか?」
「土でも水栽培でもどちらでもいけるんですけど、私は水栽培にしようと思ってるんです」
「そうなんですね、かわいい」
と言って、作業に戻った彼女の横顔を見て、私はハッとしました。
ものすごいエネルギーを感じたのです。
そういった体験をするのは数年ぶりのことでした。
“えー、どうしよう、、、とりあえず、落ち着こう“
私は席を立ち、化粧室へ手を洗いに行きました。
クールダウンするつもりだったのに、
胸の鼓動は大きくなるばかりでした。
冷たい水で手を洗いながら
“私、この人に声をかけずに帰ったら、一生後悔しそうな気がする“
そう確信して席に戻り、引かれるかも、と緊張しつつ彼女に声をかけました。
「唐突にごめんなさい。仕事、何やってるんですか?」
「webデザインを始めたところです。」
ここで私は“あれ?ちょっと感じていたのと違うな“と思いました。
でも、そのすぐ後で彼女はこう言い直したのです。
「 あ、でも、私、クラシックバレエをずっとやっていて海外で踊っていたんですけど、、、」
“やっぱり! それか!! “
すぐさま、とあるコンテンポラリーダンサーの顔が思い浮かびました。
10年以上も前に、まったく違うタイプの、
とてつもないエネルギーで私をたじろがせた人でした。
その時の光景と、身体に受けた衝撃は今でもリアルに覚えています。
「あなたときっと合うダンサーさんがいるから、紹介するわ」
気付いたら、初めて会ったその人に、そんな言葉を投げかけていました。
それは確信でもありました。
そして、数日後、3人で会うことに。
”創る話”は尽きることがなく「終電なくなるよ?」
と声をかけても、「帰る手段はいくらでもあります!」と。
“やれやれ。気が済むまで話してもらうか“
「COTi さん、一緒に創ってください」
「え? そうなの? 」
「もちろんです! 」
こうして、プロジェクトはあっという間にスタートしたのです。
企画制作 : 穂満かおる/COTi Inc.